撮影エピソード

2009年10月21日 (水)

〆はフローズン・バトル

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▲衣装がえをすませ待機中のジェフ。一見ナイスな笑顔ですが、その視線の先にあるのは…?

ラストの撮影は、リンクに横たわっての『氷上スペシャルポートレート』。
写真集ならではの特別な画を収めたいというスタッフの希望によるものですが、
モデルとなるジェフ本人は氷と密着をしなければならないのでたまったものではありません。
実際、スタッフもテスト撮影のため氷上に横たわってみましたが、
厚手の洋服を着ていても、氷の冷たさはダイレクトに伝わってきました。
対して、ジェフの衣装はコットンのTシャツとジャケット一枚。
薄着の状態でどれだけ冷たさを感じるのかは…もはやジェフのみぞ知るといったところです。

DVDでは、氷の冷たさに悲鳴を上げるジェフの姿が。
必見! と煽るのは不謹慎かと思いますが、ぜひご覧ください)

冒頭の写真も、おそらくテスト撮影の様子を目の当たりにしたジェフの
苦笑いといったところかと思います。

ラストのラストで訪れた、この日何度目かの罰ゲームのようなシチュエーションも、
快く引き受けてくれたジェフ。
泣いても笑ってもこれが最後! ということで、覚悟を決めて、いざ、氷上に横たわります。

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▲氷上に横たわるジェフをスタッフが取り囲み、撮影を進めていきます


冷たさを乗り越えて、涼しげで快適な表情を見せてくれたジェフ。
脊髄を氷に密着させている状態のため、その冷たさは並大抵のものではなかったと思います。

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▲「ラスト数カット!」という掛け声に、思わずこの笑顔です

結果的に、ジェフリー・バトル アーティストブック『chapter TWO』の
カバーを飾ることとなったこの氷上ポートレイトポートですが、
舞台裏は『過酷』そのもの。体力的にも設定上も、極限状態の中から生まれたものでした。
そんなジェフの頑張りも含めて、本書をお楽しみいただければと思います。

最後の最後まで、優雅さとは縁遠いタフなプロセスの連続となりましたが、
正午から深夜3時半まで続いた撮影はこれにて終了。
あたり一面にみなの拍手が響き渡ります。

そしてカメラマンさんの「みんなの写真を撮ってあげるよ!」の一言で、
撮影クルーでジェフをとり囲んでの記念撮影も行いました。
「彼の隣に立っのは顔が大きいのが目立つから無理!(笑)」といった
一部スタッフの乙女心なども配慮しつつ、みなでカメラにおさまります。

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【初顔合わせのぶっつけ本番】を乗り切ったメンバー。
名づけて、『STARS ON ICE』あらため、『STAFF ON ICE』?

「一日で写真集一冊撮り切る!」という無謀な計画に、
100パーセント以上の協力と、最高のパフォーマンスで応えてくれたジェフ、
そして各局面で機転を利かせ、それぞれプロの仕事を発揮してくれたスタッフのみなさんです。

(ビデオクルーは、写真におさまっていただくようお声をかけるも、
最後までメイキングムービーの収録に徹してくださいました)

この後、カメラマンさんがジェフに歩み寄り、「ありがとう」と握手を求めるひと幕も。
豊かな表現力と独創的なアイデアを惜しみなく披露してくれたこと。
一日がかりのハードな撮影に、最後の最後まで積極的に協力してくれたことに感謝して
気がづいたら声をかけていたとのこと。

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年以上一緒に仕事をしてきたスタッフですが、
カメラマンさん自らモデルに握手を求める姿を見たのはこれが初めて。
後日撮影を振り返って、「言葉の通じない、外国の人を撮影している感覚がほとんどなかった。
彼は本当に素晴らしい青年だったね」とカメラマンさん。

アマチュアスケーターを引退した今も、多くの日本のファンから愛されているジェフですが、
スケーティングの美しさや技術、そして飾らないキャラクターに加えて、
この『言葉の壁を越えて魅了する力』も彼ならではのチャームポイントなのではないか。
カメラマンさんの言葉から、そんなことを思ったりしました。

名古屋出発から14時間半。ジェフの長い一日はようやく終了…ではなく、
これからバスに揺られて都内のホテルまで戻ります。帰りのバスではみな爆睡。
ホテルに到着して、みな意識が朦朧としながらも労をねぎらい、チームは解散となりました。

ジェフとみなさん、ありがとう。そしてお疲れ様でした!

~撮影エピソード編 終了~

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2009年10月19日 (月)

プロスケーターとして

氷上撮影前半のスケーティングのシーンでは、「フリーダム」「芸術性」「技術」と、
テーマ別に動いてもらいましたが、ラスト2つの場面は、滑らないシーンがメイン。
まずは「プロスケーターとなった姿をお披露目する凛々しいカット」から。

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「凛々しいカット」では、ストロボに囲まれて
カメラのシャッターと自身の動きをシンクロさせながら決めポーズを作っていきます。
これらの動きは、すべてジェフにおまかせ。
ストロボの光がまわっているごくわずかの立ち居地で
画になる動きをゆっくりと披露するという制約だらけの中、
瞬時にいくつもの動きを作ってくれました。

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アドリブがすべてという局面で、
ゆっくりとしたターンから美しいバレエのポジションまで、
ありとあらゆる表現をみせてくれたジェフ。
このときばかりは、表情も真剣そのもの。スケーターとしてだけではなく、
振付師としての顔ものぞかせていたのかもしれません。
DVD
では、このときのジェフの真剣な表情を見ることができます。

この場面で、ジェフの立ち位置に制約があったのは以下の理由から。
一見すると普通の撮影に見えますが、実際に狙っていたのは次のような画でした。
見た目と仕上がりの違い、お気づきいただけますでしょうか?

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▲スタッフ撮影分(見た目)     ▲カメラマンさん撮影分(実際の写真の仕上がり)

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▲カメラと一対一の真剣勝負。リンク上には心地よい緊張感がただよっていました

スタッフが欲しいと思っていた以上の動きを、こちらから指示することなく次々に披露してくれたジェフ。
彼のファンに対する思いやスケートへの深い愛情が伝わってくるような情感あふれるものでした。
スケーターとして演技をしているというよりは、スケートを愛する人間として思いを込めているような、
ジェフの特別な気持ちが伝わるパフォーマンスにも感じました。

撮影はいよいよ佳境へ。
衣装もシチュエーションも、残すところラストワンとなります。

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2009年10月17日 (土)

約30分一本勝負

オンアイスのスケーティングシーンの撮影を終えて、残すは2カットのみ。
リンク上には照明機材が運び込まれ、セッティング→テスト撮影と、準備が進められました。

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▲リンクの上にぞくぞくと機材が運び込まれていきます

この間ジェフはというと、しばし休憩…といきたいところでしたが、
実際はロッカールームでインタビューを行っていました。

機材セッティングにかかる時間を30~40分とみて、インタビューも約30分一本勝負。
質問したいことは山ほどありました。
引退を決意するまでの心境の移り変わりや、実際に引退してみての手ごたえ。
現役時代の思い出や恩師とのエピソード、スケートの存在が閉める割合や、愛する家族、仲間について。
そして、プロスケーターとしての日常などなど。
過去・現在・未来のジェフリー・バトルについて、こちらからぶつけた質問に、
包み隠さず答えてくれました。受け答えもよどみなく聡明です。

インタビューの途中、家族の話題では、思いがこみ上げてきてついウルッと。
さまざまな感情を込めて語ってくれました。
コメントの内容ごとにジェフの表情がコロコロ変わっていくため、
わずかな時間ながら、見ごたえ、聞き応えのあるインタビューとなりました。

彼の言葉から感じたのは、アマチュアから退いたことをまったく後悔していないということ。
スケーターとしてのキャリアを全うする上で、競技生活からの引退はひとつの通過点であること。
プロに転向した今なお、成長したいという意欲に満ちあふれていることでした。
そしてなにより、フィギュアスケートの明るい未来を信じている。
とても穏やかな青年ではあるものの、その内面には強い信念を携えている。
そんな印象が強く残りました。

昨年9月。彼の引退の報せに、たくさんの方が悲しい思いをしたことと思います。
しかし、アマチュア引退=キャリアの終わりではないということ。
これはスタッフの主観でしかありませんが、ジェフリー・バトルというスケーターは
今後の活動を通じて競技だけではないフィギュアスケートの楽しさを、
伝えてくれるのだろうと感じた次第です。

ちょっぴり切なく、でもどこか希望に満ちた、不思議な手ごたえを得たインタビューとなりました。

インタビューを終えてリンクに向かうと、撮影のセッティングも完了目前。
ここで衣装やメイクの再確認を行いつつ、待機します。

この待ち時間を利用して、こんなことも…。

続きを読む "約30分一本勝負"

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2009年10月15日 (木)

撮影リーダー誕生

リンクに降り立つと同時に、気持ちよさそうに滑り始めるジェフ。
今まで以上にリラックスした雰囲気でノリノリです。

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▲はじめはユル~く、氷上ブレイクダンス!? 的な動きも披露

スタッフ(の一部)はというと、「滑る」、「転ぶ」の不安から戦々恐々。
リンク全体どころか、足元と目の前を見渡すがやっとで、氷に慣れるまでに時間がかかってしまいました。
メイキングの写真を撮影する余裕もなく、氷上のオフショットも少なめです…。
ということで、写真集未公開カットも交えてオンアイスの撮影の模様をご紹介します。

ジェフは過去に名作とよばれるプログラムをいくつも披露してきたスケーター。
演技中の動きの美しさについては、
テレビなどで彼を見ていたスタッフたちの記憶にも焼きついていますが、
同じリンクに立った状態で見る彼のスケーティングの美しさは
競技やショーとはまた異なる魅力があります。

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そして何より目を見張ったのは、そのスピードです。
本人はゆったりと、心地よさそうに滑っているものの、
間近で見るそれはまるでレースカーかと思うような速さ。

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(写真:『chapter TWO』未公開カットより Photo/SEIRO OZAWA

今作の準備にあたって、スケート場の下見をした際に
アイスホッケーの練習を撮影させてもらいトレーニングと心の準備をして臨んだ
スタッフですが、「いや~。速い。追いつかない!」とカメラマンさん。
また北海道育ちのメイクさんは、スピードスケートをして育ったということで
「撮影中はスケート靴をはいてメイク直しをしようかな」と言っていましたが、
ジェフの滑りを見て、「ん~。あの速さは追えないわ」と断念。
あらためてフィギュアスケートの美しくもタフな一面を思い知らされた気がしています。

スケーティングのシーンでは、最初はリンク上で自由に滑るジェフを撮影。
そしてその後は彼の代名詞といえるさまざまなアクションをとらえようというところで
今一度その段取りについて確認が必要になりました。
そのため、ジェフにしばしの待機をお願いすると、
「練習して待ってるから気にしないでいいよー」とのお言葉。ご理解に感謝です。

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(写真:『chapter TWO』未公開カットより Photo/SEIRO OZAWA

しかし、ここからがジェフの本領発揮です。スタッフが考えあぐねていると
「よければ僕のほうから近づいていくよ。そこにいてくれればいいから」と、提案してくれました。
そして、「それじゃ、そこにいてね!」と
カメラマンさんに告げると、カメラの立ち位置から逆算してさまざまな動きを披露してくれました。

ジェフには、あらかじめ今回の撮影でとらえたい画の雰囲気を
「フリーダム」「芸術性」「技術」と伝え、それぞれが目指すイメージを提案していましたが、
彼自身、各テーマにおいて自分が何をするべきなのかを把握・整理していてくれた様子。
それだけではなく、撮影場所がリンクへと切り替わったところで、
彼自身が率先して撮影隊をリードしてくれていることがわかりました。
これにはもう、一同「ついていきます!」状態。

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(写真:『chapter TWO』未公開カットより Photo/SEIRO OZAWA

▲おなじみのイーグルも。カメラに対してどんな角度で近づいていけばいいのか
細部まで計算された、無駄のない動きでした

そしてさらに、
「ファンのみんなにおなじみの動きがいくつかあるから、今からやっていくね」
と言って、過去の競技プログラムの中からメモリアルな技の数々を披露してくれました。
chapter TWO』でご覧いただけましたでしょうか?

スタッフも、目の前で繰り広げられるジェフの超絶技巧に大興奮。
ボードを隔てて見学している撮影クルーや制作スタッフからも、
ジェフの美しい技が炸裂するたびに「ヒュー♪」と歓声が上がります。

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▲特別な動きはジェフ自らチェック。通訳さんはリンクの外にいたのですが、
ジェフとカメラマンさんとの会話が成立している(っぽい)のがとても不思議な光景でした

このあと、ちょっぴりスペシャルな画をムービーでおさめつつ、
『氷上スケーティング編』は終了。
このムービーはメイキングの域を超えたものですが
スタッフの突発的なリクエストにジェフが応えてくれたものです。DVDでは、
ジェフの機転の良さとファン思いの目線を垣間見ていただけるのではないかと思います。

この時点で、まもなく7月28日1時半。
この後、リンクに照明機材を持ち込んで、ラストスパートをかけていきます。

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2009年10月13日 (火)

突撃!? Q&A

今作『chapter TWO』には、本誌メイキングシーンにも封入特典のDVDにも登場しない
いくつかのシーンとカットがあります。
ジェフがスケート靴をはいている場面もそのひとつで
こちらはジェフが準備を整える様子をとらえたスナップのようなもの。
撮り下ろしよりもカジュアルなノリで、みなでジェフが靴をはくところを見学していたので、
ハタから見ると『ジェフリー・バトルのスケート靴の履き方講座』っぽい感じです。

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▲スタッフからの(とっても初歩的な)質問の数々に手を止めて答えてくれました

ほとんどのスタッフは、スケート靴をはく様子を見ること自体が初めて。
てきぱきと準備を整えていくジェフを前に、

「靴下を脱いでからスケート靴をはくのはどうして? フィギュアスケートは裸足でやるほうがいいの?」
「右足と左足とではく順番は決まっているの?」など、思いつくままに質問を浴びせかけます。

そんな素朴な疑問に、ジェフが答えてくれました。

Q 素足にスケート靴について

裸足でスケート靴をはく人はほとんどいないんじゃないかな。
僕は裸足のほうが氷の感触をダイレクトに感じられるから好きなんだけどね。
でも、裸足ではいているから、僕のスケート靴の臭さはスケーターたちに評判だよ。
もちろん悪名高さのほうで(笑)

Q靴をはく順番

無意識のうちに左足からはいちゃうんだ。ジャンプの着氷が右足だから、
できるだけ右足で靴をはいている時間と負担を減らしたいと思っているのかも。
わずかな差でしかないから、これは気持ちの問題なんだけどね。
テープを巻きつけるのも右足だけなんだよ。

などなど。ちなみに、ジェフが告白した「悪名高き~」については、みなわかりませんでした。
適度な距離があったせいでしょうか? 室温の低さゆえでしょうか?

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ご回答、ありがとうございました。

なお、『chapter TWO』に掲載されている、ジェフのキャリーバッグ。
スケート道具一式を持ち運ぶ大切なバッグです。
写真を見てすでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが
過去に記念品としていただいたものをずっと使っているのだそうです。

「彼は物持ちがいいのね」とはスタッフ談。
物を大切にするのはいいことですね。

これでスケートの準備が整い、いよいよこれからリンクへ。
ふわっと浮かび上がるように氷上に繰り出したジェフを追うようにして
スタッフもいざリンクへと向かいます。

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2009年10月10日 (土)

生き生き、のびのび

スケート場では、オフアイスの撮影も行いました。
皮ジャンをまとった、ちょっとロックなテイストのジェフを撮り下ろします。
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▲スタイリング中の様子


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▲ロッカールーム内にて

かなり光量の多いライト(目を見開いているのがツラいくらい)を
至近距離からじか当てするため、ジェフも「このライトすごいパワーだね!」と言うほどの
まぶしさの中での撮影でしたが、のびのびとした表情を見せてくれました。
オフアイスとはいえ、スケート場にいるジェフはスタジオよりさらに生き生きとしています。

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▲赤くペイントされた壁の前にて。スチールに加え、にじり寄るムービー隊の姿も見えます


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▲撮影したカットをジェフにもチェックしてもらい、写真の質感などを把握してもらいます

この流れで、シャッターの前でも撮影を行いました。
こちらは表情ではなく動きを重視。ギラつくライトに追われながら、
「端から端までを逃げまどうような感じが面白いんじゃない?」ということで、
実際にジェフが動いてくれたのですが、このアクションが素晴らしいものでした。

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▲顔のパーツもふっとんでしまうようなまぶしさの中、ナイスポーズを連発


スタッフが指示しなくても、ただ動くのではなく、一定のペースでひとつひとつの動きに
きちんと“ため”を作ってくれるので、とにかく撮りやすい。
わずか2ラウンドで撮影完了となりました。

これでオフアイスの撮影はほぼ終了です。
いよいよ今作のメインとなる、オンアイスでの撮影へと移ります。

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2009年10月 8日 (木)

やっぱりココが好き

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▲機材セッティングの合間のジェフ。お掃除ですか?

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撮影の準備中、アイスホッケー用のガードを拭き始めたジェフ。何をするのかな? 
と思って見ていると、息をふきかけて日本のファンへのメッセージを綴っていました。
(『chapter TWO』のメイキングページでメッセージの詳細をご紹介しています)
ガードの向こう側にいるカメラマンさんが写しやすいようにと、綴りも反転して。
こうしたファンサービスをさりげなくやってくれるのは、とてもうれしいですね。

「ガードに落書きをする以外にも、リンクの表面にエッジで絵を書いたり、名前を書いたり。
とくに子供のころは、よくこうして遊んでた」

と、スケーターならではのリンクでの楽しみ方も伝授してくれました。

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その後はウォーミングアップへ。すでにロッカールームでも
体を温めていたジェフですが、さらに体をほぐしていきます。
こちらの模様も傍らから撮影させてもらいました。

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(写真:『chapter TWO』未公開カットより Photo/SEIRO OZAWA


本人が何気なく行っている動きのひとつひとつはとてもキレイで、しかも迫力満点。
練習を終えたアイスホッケーの選手たちも、その様子を見つめています。
この後、ジェフからサインをゲットして
「家宝になるかな?」とおっしゃっていた選手もいました。

「4年前に大会でここに来た時は、選手が待機する場所がなくて、
着替えからウォーミングアップまで、普通の通路でやったんだよ。
今思うとすごいよね(笑)」

と、懐かしい話も織り交ぜながら、撮影は続いていきます。

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2009年10月 6日 (火)

4年ぶりの再会

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7月2722時すぎ。いよいよここからが写真集撮影のメインイベントです。
バスに乗って、西東京市のダイドードリンコアイスアリーナを目指します。
大きな渋滞もなく、23時前には現地に到着。みながバスから降りようと腰を上げると、

「やっぱりそうだ。ここ、むかし大会で来たことがあるんだよ」とジェフ。

ちょうど今から4年前の200510月1日。サントリー東伏見アイスアリーナだった時代に、
『ジャパン・インターナショナル・チャレンジ2005』という
日本vs海外の個人戦とチーム対抗戦が行われ、ジェフは男子シングルで優勝していたのでした。
当時はオリンピックシーズンに臨むアマチュア競技者として、
そして現在はプロスケーターとなり、撮影のためにこの場にいる。
彼自身、思うところがあったのかもしれませんね。

施設の内部構造を一番把握していたのもジェフで、
こちらから案内するまでもなく、率先して中に入っていきます。

ここで、すでに到着していた撮影スタッフに加え、本書のデザイナーさんたちとご対面&ご挨拶。
今作はフィギュアスケーターの写真集というちょっと特殊な作品であるため、
氷上で行う撮影などをチェックしていただくために立ち会っていただきました。
デザイナーさんは、というか、これは今作に携わったスタッフ全員に言えることですが、
ジェフに会って彼の滑りを見るのを、とても楽しみにしていました。
オーディエンスがいない中での撮影はちょっぴり寂しいため、ギャラリーの存在は心強くもあります。

さらに、DVD撮影用のムービー班も、夜の部は昼の1人から3人に増員。
打ち合わせの段階で、「スケートの撮影は難しいけど、できるだけエッジまで収めてください」
「だけど、ふとした表情もおさえたい」というこちらのわがままに応えていただく形で、
3カメ体制で臨んでくださいました。

これで、ジェフも今作に関わるほとんどのスタッフと顔合わせをすることができました。
このあとは、ロッカールームで準備を整え、オフアイスの撮影を開始します。

外は湿度マックスの熱帯夜。中は極寒というほどではないものの、適度なひんやり感。
動いていると汗ばむくらいの温度ですが、これが氷の上となると、ぐんと冷え込みが増すのだそう。
ジェフはもちろん、スタッフも持参した長袖に着替えてスタンバイします。

ジェフとは、昼間のスタジオで打ち合わせを済ませていたこともあり、
移動時の負担がかからないようにコンパクトな装備で来てくれるようお願いしていましたが、
ロッカールームに入ると、ジャージやスウェットなどを取り出して壁にディスプレイしています。
トレーニングウェアだけでもずいぶんと持ち込んでくれたんだなぁと思っていると、

「上着が足りない人や途中で寒くなっちゃう人がいるかもしれないから、
スタッフのみんなにここにかけてあるのを自由に着てくださいって伝えてくれる?」と本人。

これにはもう、「ありがとう」としか返すことができませんでした。
日ごろスケートとは無縁のスタッフが、装備が足りずに寒くなることがあるかもしれない。
そんな配慮ができるのは、彼がスケーターであることはもちろんですが
心根の優しさ以外のなにものでもないと思います。

ジェフのこうしたナイスな一面は、ファンのみなさんはすでにご存知かとは思いますが、
ぜひお伝えしたいエピソードとして、記させていただきます。

リンクでは、ホッケーチームの皆さんが練習を終えた様子。
選手たちがリンクから引き上げを始めました。
ジェフもスタッフもスタンバイ完了ということで、移動して撮影に備えます。

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2009年10月 1日 (木)

撮影第一部終了

スタジオ撮影のラストは、メイクさんの発案により、さらに大胆にイメージチェンジ。
「お待たせ!」とメイクルームから出てきたジェフを見てビックリ。
本書のキャッチコピー『こんなバトル見たことない』の一端を担う
かわいいけれど美しいジェフリー・バトルがそこにいました。
こちらの全貌はぜひ『chapter TWO』でお楽しみください。

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▲ヒントは「ベッド」です。

スタジオ撮影はこれにて終了。ジェフ側の協力もあって
事前に思い描いていた以上のカットを収めることができました。
みなが拍手で撮影第1部の終了を労います。

この後、夜のスケート場の撮影で着る衣装のミーティングも行いました。
スケートシーンの撮影は、あらかじめジェフ側に撮影と衣装のイメージを伝えて、
いくつかのアイテムを持参してもらっていたため、
スタイリストさんとジェフとで相談をして実際に着用するアイテムを絞り込んでいきました。

ここで、チームは一度解散。
深夜スタートのスケート場での撮影に備えてそれぞれが休憩をとります。

スタジオを出ると、雨は上がっていました。先ほどまでの激しい雷雨がウソのよう。
宿泊先のホテルへと向かう車中からは、とてもキレイな虹を見ることができました。
ここで「トータル何色見えるか?」という話題になり、ジェフは「5色見えるよ」とのこと。
そして急きょ虹の撮影大会に。ジェフも持参したデジカメでこの虹をおさめていました。
7月27日の18時半ごろ。この虹をご覧になった方はいらっしゃいましたか?


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▲携帯カメラで失礼します(何色見えますか? スタッフは3色までしかわかりませんでした)

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2009年9月30日 (水)

「ノー」と言える男?

スタジオ撮影用に用意していた衣装は、
カジュアル、ロック、フォーマル、リラックスの4パターン+α。
オフアイスの撮影にあたり前もってジェフ側に伝えていたのは、上記の衣装プランと

“飾らないナチュラルさと、アスリートでアーティストであるという一面、
今までファンが見たことのないような驚きのビジュアルまで、さまざまな表現を楽しみましょう”

という、撮影で目指すイメージについてのみでした。

準備段階では、神経質なくらいにデータの収集をしたり、段取りを考えていたスタッフ。
どんな絵柄を収めるかといったデッサンも用意していましたが、
事前に提出した撮影内容を、ジェフ側が把握していてくれたおかげで
撮影日当日は衣装のチョイスからポーズ、表情にいたるまで、あえて指示する必要がない状態に。
スケーターとして、長年にわたって楽曲や振り付けに合わせて表現をしたり、
ショーなどで多くのスタッフと連携することに慣れているプロフェッショナルらしく
その場で状況を判断して表現するということがごく自然にできてしまう彼にあらためて感心した次第です。

フォーマル編の撮影も、ほとんどがお任せの状態でした。スタッフが指示したことといえば、
「ちょっと“目で殺す的”な感じに」、「ジゴロになったような気持ちで」
ほか、その場で思いついた無責任なオーダーばかり。

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▲チェアーに腰掛けて                  ▲目で殺しているかもしれません

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▲立ち姿も美しかったです                             ▲撮影自体はキレイ系でしたが

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BGMはジェフ所有のi Podでガンガンに。ザ・ハイヴス(ガレージロック系)からベースメント・ジャックス(UKハウス)まで、アッパーな楽曲を中心にランダムに流していました

以上でフォーマル編終了…というところで、もうワンカット追加しようということになり、
スタジオにあった鏡の前にたたずんでもらいました。

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▲さすがに本人も照れくさそうでしたが、スタッフのアイデアに協力してくれました


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▲映画俳優のような雰囲気に、あらためて「美しい!」と感激したスタッフ一同でした

ちなみに、メイキングのDVDには、ジェフが「ノー!(笑)」と
恥ずかしそうにリアクションしているシーンが収録されています。
この日彼からのダメ出しは、意外にもその一回だけ。
(ノーと言いつつも、こちらのお願いをやってくれてしまいました)
スタッフが思い描いていたイメージを伝えると、
自分なりにスイッチを入れて表現できてしまうのはさすが。
氷上以外のシチュエーションでもきちんと世界を作ることができる
ジェフのパフォーマンス能力にはあらためて感服しました。

スタジオ撮影もいよいよ終盤。
かなり作りこんだ画も多く、シチュエーションによっては
自分ではない誰かを演じているような感覚がジェフ本人にもあったと思います。
それでもただの作り絵に終始することなく、ひとつひとつのシーンで個性を放つことができたのは
被写体であるジェフ自身の感情が込められているからなのかなと思ったりもしました。
現役時代から定評のある『表現力』は、オフアイスでもたしかに発揮されていました。

もちろん、ちょっとした表情にも、人となりは表れるもの。
chapter TWO』におさめられた今までとはちょっと違うビジュアルとジェフの表現を通じて、
読者のみなさんはどんな感覚を覚えるでしょうか。
ぜひ、それぞれの目線でお楽しみください。

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