「ノー」と言える男?
スタジオ撮影用に用意していた衣装は、
カジュアル、ロック、フォーマル、リラックスの4パターン+α。
オフアイスの撮影にあたり前もってジェフ側に伝えていたのは、上記の衣装プランと
“飾らないナチュラルさと、アスリートでアーティストであるという一面、
今までファンが見たことのないような驚きのビジュアルまで、さまざまな表現を楽しみましょう”
という、撮影で目指すイメージについてのみでした。
準備段階では、神経質なくらいにデータの収集をしたり、段取りを考えていたスタッフ。
どんな絵柄を収めるかといったデッサンも用意していましたが、
事前に提出した撮影内容を、ジェフ側が把握していてくれたおかげで
撮影日当日は衣装のチョイスからポーズ、表情にいたるまで、あえて指示する必要がない状態に。
スケーターとして、長年にわたって楽曲や振り付けに合わせて表現をしたり、
ショーなどで多くのスタッフと連携することに慣れているプロフェッショナルらしく
その場で状況を判断して表現するということがごく自然にできてしまう彼にあらためて感心した次第です。
フォーマル編の撮影も、ほとんどがお任せの状態でした。スタッフが指示したことといえば、
「ちょっと“目で殺す的”な感じに」、「ジゴロになったような気持ちで」
ほか、その場で思いついた無責任なオーダーばかり。
▲チェアーに腰掛けて ▲目で殺しているかもしれません
▲立ち姿も美しかったです ▲撮影自体はキレイ系でしたが
▲BGMはジェフ所有のi Podでガンガンに。ザ・ハイヴス(ガレージロック系)からベースメント・ジャックス(UKハウス)まで、アッパーな楽曲を中心にランダムに流していました
以上でフォーマル編終了…というところで、もうワンカット追加しようということになり、
スタジオにあった鏡の前にたたずんでもらいました。
▲さすがに本人も照れくさそうでしたが、スタッフのアイデアに協力してくれました
▲映画俳優のような雰囲気に、あらためて「美しい!」と感激したスタッフ一同でした
ちなみに、メイキングのDVDには、ジェフが「ノー!(笑)」と
恥ずかしそうにリアクションしているシーンが収録されています。
この日彼からのダメ出しは、意外にもその一回だけ。
(ノーと言いつつも、こちらのお願いをやってくれてしまいました)
スタッフが思い描いていたイメージを伝えると、
自分なりにスイッチを入れて表現できてしまうのはさすが。
氷上以外のシチュエーションでもきちんと世界を作ることができる
ジェフのパフォーマンス能力にはあらためて感服しました。
スタジオ撮影もいよいよ終盤。
かなり作りこんだ画も多く、シチュエーションによっては
自分ではない誰かを演じているような感覚がジェフ本人にもあったと思います。
それでもただの作り絵に終始することなく、ひとつひとつのシーンで個性を放つことができたのは
被写体であるジェフ自身の感情が込められているからなのかなと思ったりもしました。
現役時代から定評のある『表現力』は、オフアイスでもたしかに発揮されていました。
もちろん、ちょっとした表情にも、人となりは表れるもの。
『chapter TWO』におさめられた今までとはちょっと違うビジュアルとジェフの表現を通じて、
読者のみなさんはどんな感覚を覚えるでしょうか。
ぜひ、それぞれの目線でお楽しみください。
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